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分析機器などを販売する島津国際貿易(上海)が、内販拡大向けた営業体制強化のため、新たなシステムの導入に踏み切った。「成長スピードが早い中国市場で勝ち抜くには、各営業マンのスキルアップをシステムの導入で補う必要がある」と語るのは、同社北京分公司、大型分析儀器事業部副事業部長の湯浅良成氏。今回、湯浅氏がシステム化を図ったのが、見積もり作成業務だ。
エクセルベースでの見積もり作成では、入力ミスの発生が不可避な上、作成に時間がかかるという難点がある。この課題の克服のため、軟脳軟件が打ち出す見積もり作成のパッケージシステムに、同社の要望をカスタマイズさせた形でシステム化した。
特にこだわった点が、「各製品におけるオプションの組み合わせ」の設定だ。同社が取り扱う分析機器などでは、各機種本体、オプションごとの組み合わせにおいて詳細な規定がある。システム画面上で、組み合わせに問題があれば、警告を表示するようにし、ミスの防止を徹底化させている。
作成スピードも大幅にアップした。システム画面上に表示される製品項目を選択するだけで、見積もり作成ができる。為替、値引き計算も瞬時に算出できるほか、引合いが比較的多い製品の場合は標準的な構成をあらかじめ組んだテンプレートを活用、あるいは過去の見積りを参照することで毎回一から作成する手間を省いている。
また、PCにマスターをインストールできるため、オフライン状態でも見積もり作成ができ、顧客訪問時や移動時間などでの作成が可能だ。
見積業務のシステム化を軟脳軟件へ委託したのは、以前、同社からeSMを導入し、成果を上げているためだという。現在は、そのeSMと見積もり作成システムを連動させることで、定着化を図っている。例えば、契約に至った案件の見積もり書に関しては、必ずeSMにアップデータする設定にするなどし、eSMの営業支援ツールの一環として組み入れている。
さらに、システムに依存しすぎると逆に、各営業マンの製品知識の向上を阻害する恐れもあることから、システム上で製品知識を深められるようにしている。
例えば、製品の組み合わせを覚えられるよう、仮に組み合わせに間違いがあれば、見積もり作成作業が完了できないだけでなく、必ず言葉で説明を表示するようにした。システムに任せて、すべてが完結するのではなく、製品知識も増えるように工夫してある。
軟脳軟件としても、同社の例を皮切りにこの見積もり作成システムを、メーカーから小売り業者まで、内販に力を入れる各企業の要望に応じてカスタマイズで提供し、顧客開拓をサポートしていきたい考えだ。
※島津国際貿易(上海)有限公司様は2011年に島津企業管理(中国)有限公司に社名変更されました。