サービス・情報通信

FNA  導入事例

工場網信息諮詢(上海)有限公司
(ファクトリーネットワークチャイナ) 様

 

事業毎に分かれていたデータを一元管理
eSMの後方支援でアジア展開に備える

 

2003年、製造業のマッチングを目的としたウェブ開設からスタートしたNCネットワークチャイナ(現ファクトリーネットワークチャイナ)は、マッチングに雑誌媒体、イベント、調査を加えた4事業を柱に、製造業の発展に寄与してきた。

 

雑誌媒体事業では、日中両言語併記のフリーマガジン『EMIDAS』(12年~「FNAマガジン」に改名)を隔月で4万5000部発行し、華東地区を中心に、中国全土の製造業者に配送している。また、イベント事業では、05年より「日中ものづくり商談会」を主催。昨年は550社が出展、8500名以上が来場した。今や日本貿易振興機構(JETRO)なども共催・後方する一大イベントに成長している。

 

昨年の日中ものづくり商談会では、社名変更が発表された。国籍問わず、中国で活動する製造業が今後、インドや東南アジアなどアジアの他地域で展開するのを支援していくためだ。その順調ともいえる事業拡大を影で支えているのが、ソフトブレーンのeSMだ。「中国で足場を固め、アジアという塊りで欧米や世界中にものづくりをアピールしたい」と語る同社の井上直樹董事長にeSMの活用について話を聞いた。

 

 


――eSM導入のきっかけを教えてください。

 

井上  当社は媒体会社というよりも、データベース会社です。つまり、登録されている情報が命なんです。ウェブサイトでは約1万5000社の情報が公開されていますが、それ以外にたくさんの情報が蓄積されています。

 

たとえばリサーチした結果やイベントの来場者。ものづくり商談会の来場者・8500名のうち半分がリピーターですから4000社以上が新規です。さらにリサーチ結果が3000社。もともとある1万5000社に7000社がプラスされるわけです。これらの膨大なデータを、以前はエクセルで事業毎に管理していました。しかし、これではあまりにも効率が悪い。そこでITツールについて調べたところ、スケジュール管理ツールではなく、顧客とのコンタクト履歴を蓄積して一元管理するシステムはeSMしかありませんでした。導入してすでに3年が経ちますが、使うべくして使っているという感じですね。

 


――具体的にはどのように活用されているのでしょうか?

 

井上  社内で情報収集した潜在顧客に対して営業するために、まずは登録したお客さんにメルマガを読んでいただいたり、雑誌を配送します。その際にeSMで「メルマガ購読・日本語/中国語」「雑誌配送」「配送部数5部/10部」などの項目にチェックを入れます。それが基礎データとなるわけです。それを次の段階の、「公開データに登録しませんか」というセールスにつなげるのです。また、商談会に来たお客さんに対しては営業マンが電話し、興味の有無についてeSM上にチェックを入れます。そうしてプロセスを一元管理することで、潜在顧客の見込み度合いが把握できるのです。

 

毎週、マネージャー会議を開いていますが、いつもeSMが話題になります。システムに登録していなかったらメルマガも雑誌も届かないので、原因をトレースできるんです。最悪なのは登録していない状態ですが、入力の仕方でミスしている場合もあるし、登録されているのに届いていない場合もある。いずれにせよ、原因がはっきりするのがいいですね。

 

また、今年は深センと成都でも商談会を開催する予定で、イベント事業もどんどん大きくなってきています。そうすると、ベースとなるデータ収集が不可欠です。当社の深セン事務所ではいろいろな展示会に行っては名刺を収集し、eSMに登録するという作業をしていますが、eSMの便利なのは、ウェブベースのシステムであることです。深セン事務所は3人しかいないので、収集した名刺をそのままこちらに送らせます。それを上海で入力し、そこに深センの人間がコンタクト履歴などを入力していくという、拠点をまたいで利用できるのがいいですね。出張中に見ることもできますし。

 

それから教育の一環としてもeSMを活用しています。「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」を徹底させるのに効果的なんですよね。たとえばeSMに予定が入っていなかったら、交通費の清算もしません。報告書の件数である程度の評価をしています。

 


――eSMをより活用することで、今後どのような発展を考えていらっしゃいますか?

 

井上  データベース管理と基本的な行動管理まではできているので、次はプロセの改善までを実現するのが課題です。

 

それから現在、ウェブサイトのリニューアルに取り組んでいるですが、eSMのデータをウェブのデータと紐付けして、eSMのデータにもう少し詳しい情報を入れていこうと計画しています。BPR(Business process re-engineerring、企業改革のために既存の組織やビジネスルールを抜本的に見直し、プロセスの視点で職務、業務フロー、管理機構、情報システムを再設計するという経営コンセプト)のための1つのきっかけになればと思っています。ウェブサイトのリニューアルによって、データベース会社という色を前面に出し、工場の情報は当社に聞いてもらえればOKという競争力をつけていきたいですね。

 

      

  

City bros 2012年1月掲載
ご所属・お役職はインタビュー当時のものです。