製薬・医療機器

協和発酵キリン  導入事例

協和発酵キリン株式会社 様

 

アジア4法人のMRの営業活動を一元管理
営業効率化のグローバル推進に活用

 

キリンホールディングス傘下で主に医薬品を製造販売する協和発酵キリンは、協和発酵工業とキリンファーマが合併して2008年10月に誕生。両社の最先端技術を結集させ、世界の人々の健康と豊かさに貢献できる研究開発型ライフサイエンス企業を目指している。キリンファーマは1991年に日本国内で白血球の数を増やすための薬「グラン®」の製造販売の承認を受けると、台湾、韓国、中国での販売を開始。00年代に入ると香港、成長著しいASEANにも進出。シンガポール、マレーシア、タイでの販売を開始し、合併後もアジア各国の患者に、がんと腎疾患領域の医薬品を中心に提供している。

 

 


導入の決め手
他のSFAでは難しいことが丁寧なコンサルで可能に

 

薬は、どんなに優れた製品でも、それが正しく使用されなければ効力を十分に発揮できない。製品が正しく使われるように情報を提供することは医薬メーカーの役割であり、グローバルに展開する協和発酵キリンの製品をユーザーに届けるアプローチはどの国でも変わらない。情報提供は、高度な専門知識をもった医薬情報担当者(MR)による営業活動で行われている。

 

「例えば、現地法人が取り扱っているグラン®やネスプ®は生物学的製剤であり、最先端の製造技術と設備で厳格な品質保証体制の下、製造されています。これらの製品を安全に安心して使っていただくために、MRは使用方法、品質、安全性や有効性といった商品の情報を医師の方々に説明しますが、それにとどまらず高度な専門領域の知識を活かした提案型の営業活動をしています」(海外事業部セールス&マーケティンググループ・池村俊秀氏、嶋村直美氏)

 

しかしながら、それぞれの現地法人に在籍するMRの数はけっして多くなく、医療機関を各国均一にカバーできるわけではない。その状況を改善しようと、海外事業部では、2012年より中国法人で導入しているeセールスマネージャーを、他のアジア法人にも導入することを決めた。

 

   

 

「取り扱う製品も徐々に増えてきたので、MRの使命である医薬情報の提供が少しでも多くの医療機関にできるよう、効率的な営業活動の推進を必要としていました。効率的な営業とターゲティングによって、営業生産性が向上することを期待しています。また、営業活動の上司への報告はメールで行っている状況で、情報を一元管理し、有効に活かす必要性を感じていました。情報を一元管理できれば、我々海外事業部もデータを容易に共有でき、海外現法の営業業務の改善のために協力できる範囲が広がると期待しています」(池村氏)

 

とはいっても、はじめからeセールスを採用しようと決めていたわけではない。ほかのシステムも含めて慎重に検討された。しかし、「基本機能がしっかりしている」「信頼性が高い」「運用サポートが充実している」「グローバル対応ができる」「運用料金がリーズナブルである」という条件を考慮すると、eセールスがベストチョイスだった。「医薬品の営業活動は他の業種と異なり、特殊な面があり、一般的な営業支援システム(SFA)では対応の難しい点が予想されました。その点、eセールスは、導入担当の方との繰り返しのミーティングで対応していただきました。また、各国が同じシステムを導入することで、共通のプラットフォーム上でデータを管理できるメリットがあります。その一方で各国における商習慣の違い、営業活動における差異や言語の問題などの課題も予想されましたが、これらについてもきめ細かくご対応いただいているので、満足しています」(池村氏)

 


今後の期待
指標を設定し、データを深堀して営業活動を改善

 

導入してから間もないが、eセールスへの期待は大きい。
「ソフトブレーンチャイナさんにご指導いただきながら、営業効率を向上させるのに必要な指標となる候補の目星をつけていますが、現在はMRの活動記録を着実に進め、データを蓄積させている段階です。今後は、現地法人とも協力しながら、その指標の妥当性を検証しつつ、解析データを基に営業活動の改善を進めていきます。MRは自らの活動を俯瞰的に把握・分析でき、営業活動を効率的化できます。一方で、マネジャーが部下の活動をモニターするのにも最適で、部下に対して、活動をどのように修正したら良いか、定量的なデータを基に深掘りした指導ができるはずです。ただし、活動を単に管理するのではなく、自ら考えさせて気づかせることも重要です。eセールスを活用した営業活動により、MRの成長が促されるのではないかと期待しています」(嶋村氏)

 

 

ご所属・お役職はインタビュー当時(2014年4月)のものです。