電機・精密機器

コニカミノルタ中国  導入事例

柯尼卡美能達(中国)投資有限公司 SE営業本部 様

 

中国全土で活動する営業員の商談報告を共有
蓄積データの分析で各種指標を定量化

 

複写機・複合機、プロダクションプリントを中心に、計測機器、医療機器、光学ディバイスなど、光技術を生かした製品の販売・サービスを展開し、イメージング領域で力強い存在感を放つコニカミノルタ。同社現地法人「柯尼卡美能達(中国)投資有限公司」のSE営業本部は同社の計測機器事業を担い、自動車、スマートフォン、食品、官公庁など幅広い分野において、研究や品質管理に関わるモノづくりに貢献している。

 

    

多様な活用法
徹底したデータ分析が導き出した効果とは―

 

 SE営業本部がeセールスマネージャー(eセールス)を導入してから3年半が経過しているが、いまでは欠かせないツールとなっている。この間の一番の変化は、さまざまな指標を定量的に把握できるようになったことだ。

 

そのひとつは「引合量」。eセールスを導入する以前は、各月の売上目標を達成するために十分な引合量があるか否かを定量的に把握できていなかった。eセールスの導入後は、

1.前年実績から製品ごとの受注率を算出。

2.競合動向や新製品投入の有無などを踏まえながら、来期の目標受注率を設定。

3.目標受注率から逆算することによって、予算達成に必要とされる全体の引合量を算出。

4.全体の引合量からひと月あたりの目標引合量を設定。

 

といったように、定量的に目標を設定できるようになった。毎月1回、全体及び各営業所の引合量を確認することで、G-PDCA(Goal-Plan Do Check Action)サイクルがうまくまわるようになったという。

 

さらには、各期の売上見込も定量的に把握できるようになった。同社では、日本本社に対して定期的に、当月、四半期、半期の売上見込を報告することになっており、よりシステマティックに報告できる仕組みを検討していた。そこで岡村貴浩・業務計画マネージャーは、eセールスを活用できないかと考え、ソフトブレーンの担当者と相談し、データ分析を行うことによってひとつの仮説を導き出した。仮説によって算出される売上見込を売上実績と比較すると、導き出した仮説の精度が高いことを確認でき、業務フローにおいて活用できる状況になっている。

 

「売上見込が分かるようになったため、営業の早い段階で先手先手の対策を検討できるようになりました」(岡村氏)

 

より精度の高い売上見込を本社と共有できるようになったことで、コミュニケーションも円滑になった。

 

営業会議の改善
各拠点の営業員が抱える商談情報を共有し……

 

岡村氏は、販売サイクルについてもデータ分析を行った。すると、高価格帯と中低価格帯とでは、引合から受注までのリードタイムに明らかな違いがあることが分かった。そこから岡村氏は、営業員の経験値が影響しているのではないかと仮説を立てた。営業員には、入社して1~3年の若手もいればベテランもいる。実際、提案力が求められるような難しい製品では、両者のクロージングに大きな差があることが分かった。そこで日本側のスペシャリストと相談し、入社1~3年の営業員にロールプレイングをさせることで、商談力を向上させ、結果的にリードタイムの短縮を実現できた。営業員のレベルを定量的に把握できるようになった結果、課題を見つけられたのだ。

 

SE営業本部ではeセールスを導入してから、毎週月曜日の朝に各拠点で会議を行うようになった。そこでもeセールスが活躍。「日報・週報」の画面をプロジェクターに映し出し、各営業員は前週の活動におけるキーポイントに対して説明を求められる。

 

各拠点では同社の方針をもとにブレークダウンされた半年毎の「アクションプラン」が設定されている。営業員は「アクションプラン」に関連するトピックスを発表しなければならない。加えて、大型案件の進捗状況、競合・市況・業界のトピックスを報告。それらを皆で共有する。

 

「情報をタイムリーに共有しておかないと、たとえば大口案件のときに納期どおりに出荷できないなどといった問題が発生しかねません。営業員も何を週報会の中で発表すべきかを把握しているため、高い意識を持って営業活動や情報収集をしてくれています」(岡村氏)

 

各拠点のマネージャーはそれらをまとめ、会議翌日の午前中までに上海のマーケティングチームにeセールス上で報告する。情報の共有によって各エリアの動きを把握するとともに、課題や問題を早期発見し、改善指導へとつなげるのだ。

 

   

定着までの道程
CRMの導入に3度挫折した末に……

 

SE営業本部では、早くからCRM(顧客管理)システムの導入を検討してきた。実際、3社のCRMを使ったことがある。しかし、「入力の仕方が難しい」「外出先から入力できない」「サポートが悪い」など問題が多く、長続きしなかったという。システムの導入は切実な願いだったが、「導入定着までのきめ細やかなフォローや自社に合わせたカスタマイズなどに対して、柔軟に対応してくれることを確認できた」ことがeセールスを導入する一番の決め手となった。

 

 とはいえ、最初の3カ月は営業員がなかなか商談報告を入力をせず、目標とするレベルには至らなかった。どうすれば営業員が入力するかを検討し、営業マネージャーや営業員が有益だと感じるアウトプットの作成、商談後に報告を入力しなければ営業活動をしていないとみなすというルールの徹底、最多入力者にインセンティブを与えるといったキャンペーンを行うことで、定着化に至った。

 

今後は、競合情報の入力を充実させたり、登録されている顧客にメールマガジンを送ったり、営業を中心として業務連携するサービス部門、技術サポート部門でもより一層活用していきたいと期待を込める岡村氏。eセールスを最大限に活用することによって、同社の営業力は今後ますます発展していく。

 

ご所属・お役職はインタビュー当時(2015年4月)のものです。

 

                    戻る